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[ヨウ素時計反応]
実験の手順
① 下のA液、B液、C液を用意する。
・A液:ヨウ素酸カリウム水溶液
ヨウ素酸カリウム(KIO₃)を水に溶かして1Lとする。
・B液:亜硫酸水素ナトリウム水溶液
1.水に可溶性デンプンを加えて加熱しながら撹拌して、デンプンが完全に溶けた後に室温まで放冷する。
2.別の容器に亜硫酸水素ナトリウム水溶液(NaHSO₃)を水に溶解する。
3.(1),(2)を混合し、さらに水を加え1Lとなるようにする。
・C液:チオ硫酸ナトリウム水溶液
チオ硫酸ナトリウム(Na₂S₂O₃)を100mLの水に溶かす。
②A液(150mL)を300mLビーカーに入れて、B液(150mL)を加える。そのまま、撹拌しておくと、約11秒で急に濃青色に変わる。(冬の場合は約15秒かかる。)
③この色が変わった濃青色溶液にC液(10mL)を加えると無色に変化する。

 
この反応が起こる仕組み
時計反応とは、化合物が混合して化合物の濃度が変化したり、突然、物質の性質が変化したりする化学反応のことである。今回、我々が行なった実験は時計反応の一種であるヨウ素時計反応というもので、この反応は簡単に言うと、ヨウ素デンプン反応と酸化還元反応を組み合わせた化学反応なのである。

❶ 式A:KIO₃ + 3NaHSO₃ → I⁻ + 3SO₄²⁻ + K⁺ + 3Na⁺ + 3H⁺
    式B:5I⁻ + 6H⁺ + KIO₃ → 3I₂ + K⁺ + 3H₂O

ヨウ素酸カリウム(KIO₃)と亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO₃)が反応すると、式Aの反応が進行し、亜硫酸水素イオン(HSO₃⁻)が反応容器にある限り続く。亜硫酸水素イオンが消費されると式Bの反応が進行し、ヨウ素(I₂)が発生して、亜硫酸水素ナトリウム水溶液と一緒に混合したデンプンがこのヨウ素と反応し、ヨウ素デンプン反応により突然、濃青色に変化する。
❷ I₂ + 2Na₂S₂O₃ → 4Na⁺ + 2I⁻ + S₄O₆²⁻
ヨウ素デンプン反応により濃青色に変化した溶液にチオ硫酸ナトリウム(Na₂S₂O₃)を加えると、無色になる。これはチオ硫酸ナトリウムによってヨウ素が還元されて、ヨウ化物イオン(I⁻)に変化するためである。つまり、酸化剤となるハロゲン単体のヨウ素と還元剤となるチオ硫酸ナトリウムの酸化還元反応を利用しているのである。

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​②番の操作

​③番の操作

―​ヨウ素時計反応―

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